ゆきこさんへ(1998.6.1)
ゆきこさん、ただいま×2。(←奥日光からと、会社から)
土曜、日曜と、奥日光へ行ってきました。
キセキレイ、キビタキ、カワガラス、ノビタキ、ホオアカ、ニュウナイスズメ、ゴジュウカラ等を見てきました。
上に書いた鳥は自分の双眼鏡にきちんと納めて見ることのできた鳥たちです。
ゆきこさんは、鳥や草花の名前をどのくらい知っていますか?
わたしは都市で育ったということもあるのですが、まわりにそれほど野山に親しむような大人がいなかったせいもあって、野草といえばタンポポとそれ以外、みたいな実に貧しい知識しかなくて、花が咲いたといってもサクラやチューリップぐらいしか気が付かないような生活をずっと送っていました。
わたしが今仕事をしているところは、武蔵野市というところにあって、東京とはいってもかなり郊外。近くに公園があったりするので、比較的自然に恵まれています。今の会社で仕事をするようになって、わたしはお昼休みに自然観察会に参加するようになりました。
ゆきこさんは、キュウリグサって知っていますか?
ちぎってにおいをかぐと、キュウリのようだからというのがその名前の由来ですが、うす水色の2ミリくらいの可憐な花を咲かせるのです。
わたしはあまりにも自然を知らなかったので、キュウリグサやヒメオドリコソウやオオイヌノフグリなどをひとつひとつ教えていただいて、こちらから会いに行かないと出会えない自然に気づかされました。
小鳥たちも同じです。追いかけたり脅かしたりしないで、双眼鏡で離れたところから見ている分には、鳥には何の迷惑もかかりません。
小さな嘴を空に向けて囀っている姿は、ほんとうに可愛らしい。フィールドスコープ(20倍の望遠鏡)で見ると、小鳥ののどのあたりが、ふるふるふるえていることもわかりました。
ところで、ゆきこさんは、豊かさについて考えたことがありますか?
世の中の大人たちは「豊か」イコール「お金持ち」、みたいに思っているような感じがしますが、実はそうじゃないということにも気づいていて、何か焦っているような感じも受けませんか?
お父さんがお母さんのことを好きだったり、お母さんがお父さんのことを好きだったり、何でもいいのだけれど、好きという感覚が家のなかにあると、豊かな感じがするとわたしは思うのだけれど、どうかな?
ゆきこさんは何が好きなのかな?
土曜日の夜、星を見るから外に来ませんかと誘われて、わたしも行くことにしました。
きれいな三日月が出ていて、フィールドスコープから見るとクレーターまではっきりと見えました。黄色くくっきりと三日月が見え、三日月でない部分(地球の陰になっている部分)も白く浮き上がって見えました。この白く浮き上がった部分は、三日月のときが一番良く見えるのだそうで、地球照(ちきゅうしょう)と言うのだと教えてもらいました。
太陽の光が、わたしたち、ゆきこさんもわたしも小鳥たちもいる地球を照らし、そこから反射した光が、月を白く浮き上がらせているのです。
なんか凄いでしょ。
ところで、ゆきこさんはどんなテレビを見ますか?
わたしはほとんどテレビを見ない暮らしをしているのですが、それでも好きな番組があって月曜日の8時(ちょうど今!)やっている「生き物地球紀行」(NHK総合)という番組がとっても気に入っています。
絶滅しそうな動物とかいると、何もできないのに心配になったりします。
さんざん自然環境を破壊して於いて、いざ絶滅寸前なんていう状態になるとあわてて保護をし始める。人間は実に滑稽ですが、やはりこの地球上にゾウやキリンやカバが一頭もいなくなったりしたら人間はとっても寂しい思いをするのではないでしょうか。
ゆきこさん、いろんな大人がいていろんなことを言いますが、ゆきこさんにとっての本当の豊かさは何か、ぜひ一度考えてみてください。
また、明日手紙を書きます。
おやすみなさい。
山口あずさ