ゆきこさんへ(1998.5.24)

ゆきこさん、おはよ。今はまだ朝の8時です。

きょうは日曜日ですね。ゆきこさんは何をするのかな?

わたしはきょうは句会に行きます。

「俳句秘密結社・俳句魂」の句会です。

なんかおもしろいでしょ。

本日のお題は、

「ロックンロール」と「嵐」です。

  ギプスにもやっぱり書こうロックンロール

なんて句を作りました。ギプスって腕とか折ったときにするやつね。ロックンロールが好きで、ついギプスにまで書いてしまったとういたわいもない句です。(誰か選んでくれるかな?)

きのうちょっと酷な話をしました。

ゆきこさんを、傷つけてしまうことになるので、言わない方がいいかなという気もしなくはなかったのですが、大人同士で話すことと思春期の子供たちに語ることを分けられる時代ではありません。

われわれの言葉はどんなものであれ、あなた方に筒抜けで、わたしがちょうどそうだったように、思春期の子供たちは、じぶんの都合のいい話だけをじぶんの考えてとして取り入れてしまうのです。こんなことを言ってはかわいそうだという話もしておいた方がいいと判断しました。(いじわるな気持ちで言っているのではないということだけは、わかってくださいね。)

それで、そのフォローの意味も込めて、わたしが今どう考えているかというのを書きます。

一昨日、

ゆきこさんと出逢って、援助交際についていろいろと考えているうちに、援助交際というのは、今現在の大人たちがあなたたちの世代に対して犯している犯罪だと思うようになりました。

と書きました。

昨日は、ゆきこさんのような女の子とこれから出会うことになるであろう男の子のことを書きました。その男の子がゆきこさんのことを大切に思えば思うほど、彼は深く傷つくことになるのです。当のゆきこさん以上の傷を負うことだって、想像に難(かた)くありません。

ゆきこさんは、それだけのことをすでにしてしまっているのです。

ゆきこさんのことを大切に思う彼は、今は本当に止めているのだろうか?と心配になるかもしれません。何をきっかけに始めて、何をきっかけに止めたかも気になるでしょう。

ゆきこさんは、そんな彼を安心させてあげられる女性にならなければなりません。ゆきこさんと、ゆきこさんを愛する彼の幸せは、ゆきこさんの今後にかかっているのです。ゆきこさんの乗り越えなければならない課題はものすごく大きなものです。

わたしは援助交際を止める決心をしたゆきこさんを必ず応援します。

そのためにも、オヤジども(=援助買春夫)のみならず、そういうオヤジであっても家庭を壊したくないと、何もせずにいる妻(=援助買春夫妻)、そして今の今まで何もしてこなかったわたしをも含めて、大人たちを批判したいと思います。じぶんにつづく世代に傷を残すというのは、人類の一員として、許されることではないとわたしは考えているのです。

こんな風に考えてくると、男子生徒の引き起こす数々のナイフ事件も無意識に彼ら世代の傷を察してのことかしらと思えてきます。

じぶんでじぶんを正しくないと思うのは辛いことです。

わたしもわたしを正しいとは思えません。あまりに無力だから。

明日も手紙を書きますね。

山口あずさ

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